ボールパイソンの呼吸器疾患の話1
ボールパイソンの呼吸器疾患の話です。
夏のJRS(Japan Reptiles Show)で初めて飼ったボールパイソンのスーパーパステル USCB(United States Captive Bred) 10ヶ月の♀
少し小さいかなと思いつつ飼った個体でしたが、連れて帰った2日目から口の端に泡をつけるようになりました。
当時の飼育環境は、ケージの中に浸かれる程度の水入れとペットシーツのみ。温度は27〜28度、湿度50〜65%で排便排尿は問題なく、餌もアダルトマウスMを食べていました。
ただ、心なしか唾液の量と時たま聞こえる"くすん"という咳が増えてきている気がしたので、購入から2週間後に動物病院へ連れて行きました。
鼻腔上が若干腫れているのと、ケージのガラス面が擦り付けた唾液で汚れてます。
この時、病院の先生に「診察券に名前を記入しないと」と言われ、咄嗟にこだまと命名。(こだま模様だからと旦那さんが勝手に呼んでた名前)
初診での診断は、口内炎で、筋肉注射と、抗生剤・ビタミン剤の経口投与がありました。
また、抗生剤とビタミン剤の処方があり、毎朝こだま氏の頭を抑えて口の端からスポイトで各1滴の経口投与をしていました。
3日後の診断は改善したとのことで、念のための筋肉注射と、再度抗生剤・ビタミン剤の経口投与。家での治療も変わらずでした。
あまり改善が実感出来ないまま、ただ体力の消耗や拒食も見られなかったので、更に4日後に再診し、この日も筋肉注射と抗生剤・ビタミン剤の投与。
正常に脱皮もしていたことから、次回は1週間後でいいよと病院の先生に言われ、心配しすぎなのかもと少し安心していました。
1週間後の受診でも筋肉注射と抗生剤・ビタミン剤の投与。
この日は最後に、「2週間後に受診してもいいし、治ったらもう病院に来なくても良いよ」と言われました。
それからは家で抗生剤とビタミン剤の経口投与だけを続けました。
口から涎が垂れることや咳が出ることもありましたが、目立った改善も悪化も見られませんでした。
餌も4〜5日に1度ずつ食べており、排尿排便も相変わらず正常。
呼吸器疾患の典型的な首をもたげる仕草や口を開けたままといった仕草もなし。
こんなものなのかなと思い、あまりに嫌がるので抗生剤とビタミン剤の経口投与もまちまちになってきた頃(最後の通院から9日後)、出勤前にケージの鍵にぶら下がるこだまを見て、元気やなあ、と思ったのが最後でした。
21時頃に仕事から帰ると、もうぐったり動かなくなっていて、暖かいのか冷たいのかもわかりませんでした。
口の中を見ると綺麗なピンク色でマウスロットの後もありませんでした。
休暇だった旦那さんに様子を聞くと、夕方頃には盛んに動き回っていたとのことで、口の中の様子と行動からの推測でしかありませんが、元々口内炎ではなく呼吸器疾患で、
最後の日は肺に溜まりつつあった唾液が何かの拍子に詰まってしまい、もがいたけれどどうにもならず、呼吸困難で死んでしまったのかなと思います。
抗生剤の筋肉注射と経口投与を続けていれば良かったのかもしれないし、
そもそもウイルス由来の呼吸器疾患で抗生剤の投与は無効だったのかもしれないし、
最期に苦しませてしまったことも含めて色々と思い返すと悔やまれますが、
この件から自分なりに教訓を得るとしたら、以下なのかなと思ってます。
- 抗生剤の投与が効いていないと感じたら違う抗生剤の投与をお願いする(耐性細菌の可能性や、投与されている抗生剤が当該の細菌に無効の可能性)
- 投与していた抗生剤のメモを取り、病院を変える(抗生剤は細菌にのみ有効でウイルスには無効なので、爬虫類が得意な先生の所で原因の特定と治療の変更をしてもらう)
- 温度を30度程度まで上げ、自己免疫を高める(諸説ありますが27〜28度だと若干低かったかもしれません)
最後に計4回の治療費です。
- 初診 ¥3780、注射 ¥4320、抗生剤・ビタミン剤投与 ¥2980 (計¥11080)
- 診察 ¥1080、注射 ¥4320、抗生剤・ビタミン剤投与 ¥0? (計¥5400)
- 診察 ¥1080、注射 ¥5400、抗生剤・ビタミン剤投与 ¥0? (計¥6480 何故か注射代が値上げ)
- 診察 ¥1080、注射 ¥4320、抗生剤・ビタミン剤投与 ¥1998 (計¥7398)
合計 ¥30358
爬虫類の病気や治療経過ついては本当に情報が少なく(症状や、通院費用はいくらかかるのか?など泥臭い話も含め)、自分も苦労しました。
こうしてまとめたことが少しでもみなさまの大切なペットの参考になれば幸いです。
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